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2016年3月11日金曜日

日々の学習

こんにちは、舟橋です。

今回は「日々の学習」についてです。

私は普段、ネットで情報収集をするのですが
最近では課題図書を設けて、通勤時間やお昼休憩で読んでいます。

昨日やっと1冊読み終わりましたので
忘れない為にも備忘録的に、まとめと感想を書こうかと思います。

今回読んだ本はこちら、


「こころの情報学」 西垣 通




(初めて新書を読んだのですが、、最初の方は専門用語と引用の多さに愕然としました。)

内容としては、21世紀になって急速に進んだ情報社会化によって変容した
「ヒトの心」についてのお話です。

意外なのが、割と冒頭で人工知能の話が出てきます。
私は最近映画で「her」という映画を見たばかりで、人工知能については必ず達成できる夢とさえ思っていたのです。


人口知能を搭載したOS(サマンサ)と、主人公が恋に落ちる話です。
(ラストはなんとも不思議でした。)

ですが、「こころ」というものは歴史的文脈からなるもので、人工知能で再現するには
そこらじゅうにあるもの(机、鉛筆、海、空気..)の概念(情報)を処理しなければいけなく、今の技術ではそのロードの為に固まってしまうとのことでした。
そもそもの処理の仕方が違うとのこと。

そんなショックな内容の多い本だったのですが、本の後半で出てきた「サイバーなこころ」についての内容が、とても印象に残りました。

現在われわれを取り巻く機械情報の量は、ヒトの処理できるレベルをとっくにこえています。そんななかで、子供たちは一種の「思考停止」という手段で自分を防御しているように思えます。

私たちの世代やその下の世代で最近「さとり世代」という言葉がありますが、それを彷彿させる言葉でした。
ヒトの心とは動物の心であり、身体的な感覚のないネットでは不満がたまっていくのは当たり前だとのこと。
確かに情報化も進んでいますが、大勢で集まって何かをしたり(ハロウィンなど)今までなかった新たなグループでの行動が出てきたりなど、どこかで発散をしようとする活動は意外と多いのではと思いました。

ここでUXに立ち返って考えてみると、身体的体験、動物としての基本的な部分を満たすものが
ヒトの心に一番響くのではということを思いました。
(昔マンモスを大勢で狩った記憶を再現するのは映画に任せるとして、コミュニケーションや自然の体験ということでしょうか。)


私にとっては難しい本でしたが、難しいなりに面白かったです。
この課題図書は、UXのサイト「U-site」というページで紹介されていました。
(こちらですhttp://u-site.jp/book/ux-books-2015)

ということで、感想でした!
みなさま、お疲れ様でした。